寒くなってきましたね・・・。
ニュースでも「ヒートショック」が取り上げられる季節になりました。
「ヒートショック」は、高齢者が気を付けるものというイメージはありますが、先日のニュースでは20代の若者でもヒートショックに関連して入浴中に急死ということはあるとして、取り上げていました。
年間で比べると、「交通事故死」に比べ「ヒートショックに関連した死」の方が1万人以上多いと報告されています。
前触れがほとんどないので、気が付いたら倒れている・・・ということが多いようです。
ということは・・・
「予防」が大切です。
若いから大丈夫とは決して言えないことですので、ヒートショックについて知り、予防を日ごろから心がけることが大切です!
ヒートショックとは
急な温度変化で、血圧が急に上がったり下がったりして、心臓や血管の疾患が起こることです。
例えば、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などです。
ヒートショックを招くシチュエーション例
①お風呂に入る前に、温かい部屋で過ごす
↓
②入浴のため、暖房をしていない脱衣室や浴室(10℃以下)で衣服を脱ぐ
↓ 脱衣所に暖房がない場合、寒いっ!!って思いながら、脱衣しますよね・・・
③寒冷刺激によって、血圧が急激に上がる
↓ この血圧の急上昇が、心筋梗塞、脳卒中を起こす原因のひとつです。
④早く温まりたい!と浴槽の温かい湯につかる
↓
⑤血管の拡張で、血圧が急激に低下する
急激な血圧低下で失神する場合もあります。
※失神してしまった場合、そのまま浴槽に沈んでしまい息ができなくなっても気が付きません。
なので、そうなる前に予防することが大切になります。
①温かい部屋で過ごす
↓
②寒いトイレで、寒冷刺激によって、血圧が急激に上がる
↓
③排便の際、いきむ
↓
④血圧がさらに上がる
↓
⑤排便後急激に血圧が下がる
※排便後、急に立ちあがることも血圧の上昇しますので、ゆっくり立ち上がりましょう。
どちらも、急激に血圧が上がり、その後急激に血圧が下がるところが共通しています。
つまり!
急激な血圧の変動が起きないようにすることが、予防につながります。
ヒートショックを予防する11のこと
ヒートショックは、起きてからでは遅いのです。
できることから予防を始めていきましょう。
①脱衣所やトイレを暖めておく
ヒートショックは温度差が原因ですので、暖房器具を置くスペースがあるようでしたら、寒いと感じない温度で暖めておくとよいでしょう。
②シャワーで浴槽のお湯をためる
高い位置からシャワーで浴槽のお湯をためることで、上記で浴室全体を温めることができ、急激な温度差は解消します。
③湯船の水深を浅くする
お風呂のお湯で、体は水圧を受けます。
寒い日は首までつかりたいとは思いますが、胸部への水圧で心臓への負担がかかります。
水深は、脇下くらいにしておきましょう。
④夕方にお風呂に入る
夜が深まるほど、気温は下がります。
気温が下がる前にお風呂に入ることが可能であれば、夕食前に入浴するなど、時間を早めることは効果的です。
⑤食事後1時間以内の入浴を控える
食後1時間以内は、血圧が上がっていることが多いです。
そのため、入浴で急激に血圧が下がるのは、良くありません。
⑥飲酒後の入浴を控える
アルコールの量にもよりますが、アルコールは血圧を一時的に下げることもありますが、飲み続けると、血圧を上げます。
そんな状態でお風呂に入ると、ヒートショックを招きかねません。
⑦お風呂のお湯の温度設定を41℃以下にする
熱いお湯は血圧の急降下の原因になります。
ぬるめのお湯にすることで、急激な血圧低下を防ぐことができます。
⑧入浴前に、水分を摂る
何気に、お風呂では汗をかいています。
血液が凝縮され、心筋梗塞・脳梗塞などを引き起こしやすくなります。
⑨入浴前に体操を軽くする
体操をして、適度に体を温めておくと、血圧の急激な変化を抑えることができます。
屈伸やアキレス腱伸ばし、準備体操等をお好みの体操をゆっくり行うだけでも効果はあります。
⑩入浴前に、誰かに伝える
入浴時、他に誰かがいるようでしたら、入浴することを伝えましょう。
入浴が長いと感じたときに、助けになることでしょう。
⑪浴槽やトイレで急に立ち上がらない
入浴中は、お湯で体全体に水圧がかかっています。
その状態から急に立ち上がると体にかかっていた水圧がなくなり、圧迫されていた血管が一気に拡張します。
すると、脳に行く血液が減って脳は貧血状態になり、一過性の意識障害を起こすことがあります。
トイレでは、排便後急激に血圧が下がり、排便後、急に立ちあがると血圧が上昇しますので、ゆっくり立ち上がりましょう。
ヒートショックの症状と対処法
予防をしていても、気を失うまではいかなくても、ヒートショックの症状が起きる場合があります。
●自分がめまいや立ち眩みが起きたら・・・
無理して立ち上がらない
体を低くして症状が治まるのを待つ
湯船で気を失うほどだったら、溺れないように栓を抜く
●自分以外の人がヒートショックの症状で倒れたら・・・
失神や意識障害があるようならば、救急車を呼ぶ
●湯船でおぼれていたら・・・
湯船から出す
重くて出せない場合は、お湯を抜き、救急車を呼ぶ
●ヒートショックを起こし嘔吐したら・・・
顔を横にして、嘔吐物が詰まらないようにする
まとめ
寒暖差が10度以上ある場合には、急激に血圧が上がったり、急激に血圧が下がったりします。
高齢者は特に気を付けないといけませんが、若い人も気を付けなくてはいけません。
取り組めそうなことから予防を始めていきましょう!